事件の背景に男女間のもつれか 福井・特命准教授の教え子殺害
福井新聞ONLINE 2015年3月16日 8時9分配信
教え子の女子大学院生の首を絞め殺害したとして、福井県勝山市長山町2丁目、福井大大学院特命准教授前園泰徳容疑者(42)が逮捕された事件で、男女間のもつれが事件の背景にあるとみられることが15日、2人の関係者への取材で分かった。県警もこうした事情を把握しており、殺害に至った動機を慎重に調べている。
殺害されたのは東邦大大学院生菅原みわさん(25)=勝山市本町1丁目。学部生時代に同大非常勤講師だった前園容疑者と出会い、前後して同市に移住後、指導を受けながら赤トンボの生態調査に取り組んでいた。同容疑者は妻子と同居。2人は研究などで頻繁に行動を共にし、家族ぐるみの付き合いをしていた。
2人を知る関係者によると、菅原さんは同容疑者に好意を抱くようになっていたという。別の関係者も「師弟関係とは異なる親密さを感じることもあった」と話した。県警は2人の間で何らかのトラブルがあったとみて捜査している。
一方、同容疑者が事件への関与を認める供述をしていることも15日、捜査関係者への取材で分かった。
県警勝山署と県警捜査1課などの合同捜査本部は15日、殺人の疑いで同容疑者を送検し、勤務先の勝山市教育会館などを家宅捜索した。送検容疑は12日朝、同市村岡町の路上に止めた菅原さんの軽乗用車内で、菅原さんの首を絞め窒息死させた疑い。
同署によると前園容疑者は殺害後、軽乗用車を運転して市内の病院に搬送。県警の事情聴取に当初、交通事故を装って虚偽の供述をしていた。
同容疑者は赤トンボの生態研究で知られ、市環境保全推進コーディネーターとして小中学校で環境教育にも従事していた。